
かつて、成り上がり者と人を呼ぶときは決してほめ言葉ではありませんでした。身分の低い家に生まれた人が、高い身分になったり大金持ちになったりすることです。特に金持ちにになった人の事を成金といいます。出身をけなす意味につかう言葉ですが、最近は、この言葉に夢を持つ人は多いと思います。
さる大物歌手の自伝のタイトルに使われている言葉だからでしょうか?日本史上最も極端な成り上がり者はだれでしょうか?農民の子供といっても貧農の浮浪者同然だった子供が一国の支配者にまで成り上がったのは豊臣秀吉です。貧しい家の子弟が総理大臣になったというのとは意味が違います。
政治的権限も経済的権限もその当時に国家に存在したあらゆる権限を掌握したのです。もちろんその時の国家元首は天皇でしたがその天皇も武力的な権限には逆らうことができなかったのです。その経済的威光を示すために大阪城を建築し総金箔張りの茶室を作りました。その当時、随一とうたわれた大文化人、千利休を理不尽な理由で処刑しました。
彼の場合はお金儲けをしたというよりは政治活動とそれにまつわる戦争に勝利を収めて国家権力を掌握したことで国の富をも掌握したということです。この時代だからあり得る世界にも類をみない成り上がり方です。
彼の後に長期に国家権力を掌握した、徳川家康も、一介の地方武家の子弟ではありましたがそれでも、一軍を持つ家の出身ですから、浮浪児から国家権力者に上り詰めたのとはちょっとスケールが違います。秀吉がここまで成り上がることができた要因のひとつはその時代が戦国時代という大混乱期だったということがあります。混乱の中にこそチャンスがあるのかもしれません。